世界映画史
映画と戦争

政治的なプロパガンダに映画を利用することは、個人的にはあまり好きではないのですが、それが最も効果的であり、仕方のないことだと思うこともできる部分はあります。
しかしながら、個人的には絶対に許せないプロパガンダというものがあります。それが戦争用に制作されたプロパガンダ映画です。

先人達がその夢を賭け、血と汗と涙で築いてきた映画という、人類史上最高の文化、至宝を、戦争という最大の愚行の道具にするなど、なにがあっても許されてはならないことです。理想はそうであったとしても、悲しきかな、それは今現在でもまかり通っているのが現実です。そして、戦争プロパガンダ映画を最も大々的に放映しているのは、他ならないアメリカなのです。

しかし、アメリカ発の戦争プロパガンダ映画は、一転して反戦のメッセージが入ったものであったり、悲喜こもごも、様々な思惑が見え隠れしています。
ここでは実際の代表的な作品をいくつか紹介させて頂きます。

■フルメタル・ジャケット スタンリー・キューブリック監督 1987年

世紀の天才監督、キューブリック監督の手による、ある種反戦プロパガンダとも言える映画です。
有名すぎる程に有名な映画ですが、もしご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、まずはこれをご覧下さい。
現役軍人として参加したリー・アーミーの演ずるハートマン軍曹による、軍人言葉の毒舌は、まさに言葉の芸術とも言えるような流れる舌技です。
前半の主人公、レナードが壊れていく課程から、後半の主人公、ジョーカーが戦場という現実に巻き込まれていく様は、まさに筆舌に尽くす、天才監督の一大芸術です。

■プライベート・ライアン スティーブン・スピルバーグ監督 1998年

オープニングのキリングフィールドは、まさに戦争映画の真骨頂です。内容は、いわばドイツ軍人のひどさとアメリカ軍人の勇敢さを一生懸命描いた意欲作になっており、1人の兵の為に複数の兵を差し向けるということ、その正義、そのジレンマ、そしてドイツ兵達との間に繰り広げられる死闘と共に、筆者として特に見所は、へたれキャラだったアパムの成長も注目して欲しい。

■パールハーバー マイケル・ベイ監督 2001年

この映画はおかしいです。観て喜んでいる日本人は正直言ってもっとおかしいです。
そもそも根本的な歴史的認識が欠如している、デタラメな内容なのは元より、そもそもアメリカ人はテロ国家をかつての日本になぞらえているわけです。 911事件も真珠湾攻撃になぞらえて語られており、この映画がイラク戦争への世論に大きく役立ったのは間違いないと言えるでしょう。
これを全世界で放映する度胸はたいしたものですが、アメリカ以外のほとんどの国では日本空軍が真珠湾を攻撃したシーンで喝采が起こったというのは、それはそれで笑えるような笑えないような本当の話です。

他にも数え上げればきりが無いのですが、悪感情ばかりしか湧かないのでここでキーを叩く手を止めさせてもらいます。

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